データ入力代行の料金は、単位で4つに分かれます。文字なら1文字0.2〜3.0円、名刺なら1枚20〜35円、時間なら1時間2,000〜3,500円、アンケート集計のような一式なら1.5万〜5万円。これが各社の公開情報の帯です。

ただし、この単価を比べても発注額は決まりません。効くのは最低発注金額のほうで、大手は5万〜10万円に集まります。単価0.3円でも、100件だけ頼めば10万円になります。

公開されている料金情報を単位ごとに並べ直し、金額が動く条件と、見積もりの前に決めておくことを整理します。数字はすべて出典を付けました。

単位が4つある

データ入力の見積もりは、作業の中身によって数え方が変わります。ここを混ぜたまま比較すると、安いほうを選んだつもりで高くつきます。

単位 向いている作業 公開されている目安
1文字あたり 文章の打ち込み、自由記述の入力 0.2〜3.0円(サイトにより幅が大きい)
1枚・1件あたり 名刺、アンケート、伝票のように形が揃っているもの 名刺20〜35円/アンケート50〜150円
1時間あたり 形が決まっていない作業、常駐 1,000〜3,500円(企業への請求単価)
1式 アンケート集計のように、作業の束で頼むもの 単純集計1.5万〜2万円/クロス集計3万〜5万円

自社の作業が「1枚いくら」で数えられる形なら、そのほうが金額が読めます。逆に、資料の形がバラバラで1件あたりの手間が読めないものは、時間単位のほうが揉めません。

1文字あたり:安い前提と高い前提で15倍ひらく

文字単価は、下限を0.2〜0.5円、上限を0.5〜3.0円とするサイトが多く、いちばん安い前提(0.2円)といちばん高い前提(3.0円)では15倍の差になります。上限どうしを比べても6倍です。

出典 時点 記載
リスモン・マッスル・データグループ 2023年4月 テキスト入力 0.2〜2.0円
うるるBPO 2024年10月 1文字あたり 0.3〜3.0円前後
東京ソフトBPO 2025年3月 1文字あたり 0.4円〜1円程度が最も一般的
EMEAO! 2025年8月更新 文字入力 0.3〜0.5円
比較ビズ 2026年5月更新 1文字あたり 0.5円(幅ではなく単一値)

この幅は「どこが安いか」ではなく、各社が想定している原稿の状態が違うことによる可能性があります。実際、うるるBPOは「活字で書かれている原本や原本体裁が統一されているもの」を、価格が下がる要因として挙げています。

単価だけを並べても決まりません。見積もりを取るときは、自社の原稿の実物を1枚見せるほうが早いです。

1枚あたり:名刺は「項目数」で倍ちがう

名刺入力は多くのサイトが数字を出していて、基本項目(5〜8項目)では1枚20〜35円の帯に集まります。ただし10円台から示すサイトもあり、下限はもっと低いことがあります。

基本の5〜8項目なら1枚20〜30円、10項目前後まで拾うと1枚60〜70円

大きく効くのは項目数です。リスモンとうるるBPOはどちらも「20〜30円が、10項目前後まで増えると60〜70円になる」と書いています。会社名・氏名・電話・メールだけなのか、部署・役職・住所・FAX・URL・携帯まで拾うのかで、金額は倍以上変わります。

アンケートは、価格体系が2つに分かれます。

  • 入力:択一0.5〜1円/問、複数選択1.5〜5円/問、自由記述0.2〜0.5円/文字(1文字3円まで示すサイトもあります)。件でまとめると50〜150円/件
  • 集計:単純集計1.5万〜2万円、クロス集計3万〜5万円という一式の値段

「アンケートの集計をお願いしたい」と伝えると、業者によって前者の見積もりが返る場合と、後者が返る場合があります。どちらの体系で答えているかを、最初に確認してください。

1時間あたり:誰が受け取る金額かで2〜3倍ちがう

時給の数字は、誰が受け取る金額なのかで意味がまったく違います。

数字 これは何の金額か
1,000〜1,400円 データ入力に従事する人が受け取る時給の目安。派遣・入力代行業者で1,400円前後、直接雇用のアルバイト・契約社員で1,000〜1,200円(クラウドワークス、2026年2月)
2,000〜3,500円 BPO会社が企業に請求する時間単価(税込。常駐型や複雑な業務向け。東京ソフトBPO、2025年3月)

この2つを並べて「外注は倍以上高い」と読むのは誤りです。後者には、手順書をつくる人、チェックする人、抜けた人の代わりを立てる仕組みの費用が乗っています。比べるなら、自社でチェックや管理にかける時間を足してから比べてください。

なお、請求単価の側にも幅があります。比較ビズは「1時間あたり950〜1,000円ほどで対応可能」とする例を挙げており、2,000〜3,500円が唯一の水準というわけではありません。

手書き・PDFはどう数えられるか

手書き原稿は、活字より高くなります。slide libは「活字の約1.2〜1.3倍」という倍率を出していて、その根拠として2社の公表単価を挙げています(うるるBPO:活字0.375円/文字→手書き0.45円/文字、シスプロデータプロ:印字3.5〜7.5円/項目→手書き4.5〜9円/項目)。

ただし倍率を明記しているサイトは少なく、多くは「割増になる」という書き方にとどまります。手書きが混ざるなら、実物を見せて個別に見積もるのが確実です。

PDFからの転記については、データ入力として「PDF専用の単価」を出しているサイトはほとんど見当たりません。実務上は次のどちらかで数えられます。

  • 文字単価で数える。目安は一般の文字入力と同じ帯(0.3〜1円程度)
  • レイアウトごと再現するページ入力として数える。A4 1枚500〜900円

関連して、組版(DTP)では入稿の形で単価を分けている例があります。誠勝はデータ入稿(PDF・JPEGなど)を1ページ500円〜、紙入稿を800円〜としています。

紙を画像として取り込むだけのスキャニングは、条件でも会社でも大きく変わります。リスモンは「A4・白黒・300dpiで1ページ6円前後」、slide libは「A4モノクロ200dpiで4.7円、カラー300dpiで17.6円」としています。一方、誠勝の公開価格はA4・300dpi・裁断ありで16円〜、裁断せずに600dpiまで上げると65円〜(A3なら110円〜)です。解像度、カラーかどうか、裁断してよいか、原稿サイズ。この4つで4円台から100円超まで開きます。

「PDF化したい」のか「PDFの中身をデータにしたい」のかで、頼む先も金額も変わります。

金額が上がる条件・下がる条件

条件 公開されている記載
上がる 手書きが混ざる 活字の約1.2〜1.3倍(slide lib。うるるBPO・シスプロの公表単価に基づく)
項目数が多い 名刺で20〜30円 → 60〜70円(リスモン・うるるBPOの2社が同じ数字)
短納期・特急 通常料金の20〜50%増が一般的(東京ソフトBPO)
繁忙期にかかる 9〜3月に単価が上がる会社もある(リスモン)/1〜3月は料金表と異なる場合がある(誠勝)
資料が読みにくい/外国語・旧字体 文字が薄れて読み取りにくい場合、日本語以外や古い漢字は追加料金を加算する会社が大半(リスモン)
個人情報を含む/専門知識が要る 追加コストが発生(東京ソフトBPO)
下がる 活字で、原本の体裁が揃っている 価格低下の要因として明記(うるるBPO)
納期に余裕がある 納期の長さや数量によるディスカウントの用意あり(誠勝)
まとまった量を一度に出す 大規模な発注で割引になる場合がある(EMEAO!)。割引率を数値で示した出典は確認できず

短納期の20〜50%増は、知らずに頼んで驚く筆頭です。「いつまでに」を決めずに相談すると、業者は安全側の納期で見積もります。急がないものは急がないと伝えたほうが安くなります。

もうひとつ見落とされるのが付帯作業です。うるるBPOは、原本の現状復帰、輪ゴム止め、画像との紐付けといった作業を付帯業務として挙げています。入力単価だけを見ていると、ここが後から乗ります。

単価より、最低発注金額

単価が0.3円でも、最低発注金額が10万円なら、100件だけ頼んでも10万円です。

事業者 最低発注金額 確認元
誠勝(おまかせデータ入力) 一律10万円(税別) 自社の価格ページ
うるるBPO 90,000円(税別) HELP YOU(2026年7月更新)での紹介
シスプロ 名刺12,000円/名刺以外40,000円 HELP YOU(2026年7月更新)での紹介
セブンインデックス/クラリテ なし HELP YOU(2026年7月更新)での紹介
一般的な水準 3万円・5万円・10万円が多い slide lib(2026年9月)

大手ほど最低金額が高く、5万〜10万円あたりに集まります。中堅で3万〜5万円、1万円台から受ける業者や、最低金額を設けていない業者もあります。下回った場合は、断られるか、割高な単価になるかのどちらかになるのが一般的です。

「まず100件だけ試したい」という頼み方ができるかどうかは、単価より先に聞いてください。精度を確かめずに数千件を出して、全部やり直しになるほうが高くつきます。

クラウドソーシングで個人に頼む場合との違い

「個人に直接頼めば安い」は、条件つきで正しく、条件つきで誤りです。

手数料の構造がプラットフォームで違う

ランサーズは発注者側にも5.5%(税込)の手数料がかかります(2022年10月適用)。ただし、1アカウントで毎月30万円以上の支払いが確定していれば、翌月の発注者手数料は3.3%(税込)になります。

クラウドワークスは、タスク形式と有料オプションを除いて、発注者側のシステム利用料が無料です。データ入力の大量発注でよく使われるタスク形式は、この「除く」側に入ります。クラウドワークス自身も、タスク形式を「簡単な作業やアンケートなど単純作業の大量発注に向いています」と案内しています。使う前に公式の料金ページで確認してください。ワーカー側の手数料は10万円以下20%、10万円超20万円以下10%、20万円超5%(タスク形式は一律20%)です。

チェックの手間が、どちらに乗るか

BPO会社は、複数人でのチェック体制を明示しているところが多くあります(リスモンのベリファイ、東京ソフトBPOの2名体制、うるるBPOのダブル入力など)。その体制ぶんが単価に反映されると考えてください。

個人に直接頼む場合、そのチェックは発注する側の仕事として残ります。仕様書と検収基準を先に文章にしておかないと、納品後に「思っていたものと違う」で揉めます。

個人情報を含むなら、外注しても責任は残る

ここは金額の話より重要です。個人データの取扱いを外に委託しても、委託した側の監督義務はなくなりません。

個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

(個人情報の保護に関する法律 第25条・委託先の監督)

安全管理措置そのものは第23条、自社の従業者に対する監督は第24条に定められています。委託先で漏えいが起きたとき、監督が不十分だったと判断されれば、委託した側の責任も問われ得ます。「外に出したから終わり」ではありません。

実務では、次を契約前に確認しておくと後が楽です。

  • 秘密保持契約を、誰と結ぶのか(作業者個人か、会社か)
  • 作業をする場所と、データを持ち出すかどうか
  • 作業が終わったあと、原本とデータをどうするか(返すのか、破棄するのか、証明書は出るのか)
  • プライバシーマークやISMSを取っているか

見積もりの前に決めておく4つ

  1. 実物を1枚。単価は原稿の状態で決まります。仕様の説明より実物が早い
  2. 量。何件・何枚・何文字か。おおよそで構いません
  3. 項目。何を拾って、何を捨てるか。名刺で倍ちがう理由がここです
  4. いつまでに。急がないものは急がないと言う。短納期は2〜5割増が一般的とされています

この4つが決まっていれば、複数社に同じ条件で見積もりを出してもらえます。逆に、これが決まっていない状態で相場だけ調べても、返ってくる金額は比べられません。

ジョブリウムの場合

ジョブリウムは一律の料金表を出していません。この記事のとおり、同じ「データ入力」でも原稿の状態で単価が数倍変わるためです。代わりに、次の形にしています。

  • 単位は選べます。1件あたり、1文字あたり、1時間あたり、1式。作業に合う数え方を、見積もりのときに決めます
  • 最低ロットを決めていません。少量でもお受けします。ただし量が少ないと単価が上がるので、そこは先に正直にお伝えします
  • まず少量で試せます。100件ほどやってみて、実際に出た誤りを数えてから本番の進め方を決める形をおすすめしています
  • 秘密保持契約は、ジョブリウムと1本です。作業する事業所が増えても、貴社が結び直す必要はありません

頼めること・頼めないこと、対応しているソフト、進め方は、データ入力のページにまとめてあります。


この記事で参照したページ

法令・官公庁
個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」

料金相場 以下のうち、リスモン・うるるBPO・東京ソフトBPO・誠勝は自社サービスの発信、EMEAO!・比較ビズ・HELP YOU・slide lib・タスカル・i-STAFFは他社の料金をまとめた比較サイトです。立場によって強調される点が違うので、そのつもりでご覧ください。いずれも公的統計ではありません。発注前に最新の情報を各社にご確認ください。
リスモン・マッスル・データグループ「データ入力の外注費用相場」(2023年4月)/
うるるBPO「データ入力の費用相場」(2024年10月)/
東京ソフトBPO「データ入力代行の料金相場」(2025年3月)/
誠勝「おまかせデータ入力 料金」
EMEAO!「データの種類別費用相場」(2025年8月更新)/
比較ビズ「データ入力代行の費用相場」(2026年5月更新)/
HELP YOU「データ入力代行おすすめ10選」(2026年7月更新)/
slide lib「データ入力代行サービスおすすめ13選比較」(2026年9月)/
タスカル「アンケート集計代行サービスおすすめ7選」(2024年7月)/
i-STAFF「名刺データ入力代行10社比較」(2024年12月)

クラウドソーシングの手数料
ランサーズ「システム手数料の詳細」
ランサーズ「システム手数料改定のお知らせ」(2022年10月適用)/
クラウドワークス「依頼オプション料金(クライアント)」
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クラウドワークス「タスク形式の使い方」
クラウドワークス「データ入力の単価相場」(2026年2月)