障害者向けコラム

就労継続支援の利用料はいくら?0円になる人の条件|手帳があれば年収200万円でも0円

親と同居していても、親の収入は数えません。就労継続支援(A型・B型)と就労移行支援の利用料は、本人と配偶者の住民税だけで決まります。去年ほとんど収入がなく、配偶者もいない人なら0円です。休職中の傷病手当金や退職後の失業給付には税金がかからないので、去年の収入がそれだけだった人も0円です。働き始めても、障害者手帳があって障害者控除を申告していれば、給与の年収およそ204万円(月17万円)までは非課税のまま。A型の平均給料は月9万円ほどなので、その倍近くもらっても0円は変わりません。

課税されている人でも、通った日ごとにかかる利用料は月9,300円で止まります(住民税が多い世帯は37,200円。線は下の表に)。行かなかった日の分はほぼかかりません。1日の額はサービス費の1割で、B型なら1日500〜800円ほど(900円を超える事業所も)です。手帳がない人は非課税の線が年収100万〜110万円くらいまで下がるので、A型の給料で課税世帯になることがあります。この記事では、0円になる条件、課税される人の1日の額、利用料以外にかかるお金の順に書きます。

上限は4区分。判定は本人と配偶者の住民税

区分月の上限誰が当てはまるか
生活保護0円生活保護を受けている世帯
低所得0円本人と配偶者が市町村民税非課税
一般19,300円課税世帯で、本人と配偶者の市町村民税の所得割(所得に応じてかかる部分)の合計が16万円未満(グループホームや入所施設などで暮らす人を除く)
一般237,200円所得割の合計が16万円以上の世帯。グループホームや入所施設で暮らす人は、課税世帯ならこの区分

「世帯」は、18歳以上なら本人と配偶者だけです。親やきょうだいと同居していても、その収入は数えません。自分の区分は受給者証の「負担上限月額」の欄に書いてあります。これから申請する人は、申請のときに市区町村が決めます。判定に使うのは前年の所得で決まった住民税で、毎年7月に切り替わります(見直しの時期は市区町村で違い、受給者証の更新月にまとめて行うところもあります。施設に入所している18・19歳は保護者の世帯で見ます)。

就労継続支援の利用料の決まり方。生活保護は0円、本人と配偶者が市町村民税非課税なら0円、課税世帯は所得割の合計が16万円未満なら月9,300円、16万円以上、またはグループホーム・入所施設で暮らす人なら月37,200円が上限

0円になる人の条件

生活保護を受けているか、本人と配偶者が市町村民税非課税なら0円です。非課税かどうかの線は、働いているかどうかと、障害者手帳の有無で変わります。

いま働いていない人:去年の収入がなければ非課税

去年、給料などの収入がほとんどなかった人は非課税で、利用料は0円です。傷病手当金・失業給付・障害年金は税金がかからない収入なので、もらっていても関係ありません。年末調整や確定申告はいりません。市区町村から住民税の申告の案内が来たら、収入がなかった旨を書いて出すだけです。配偶者がいる人は、配偶者の住民税も見ます(下の「配偶者がいる人」)。

手帳がある人:前年の合計所得135万円以下

身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のどれかを持っている人は税法上の「障害者」で、前年の合計所得が135万円以下なら市町村民税がかかりません。給与だけなら年収およそ204万円までです(令和8年度分。全国共通の線で、出典は参考欄に)。障害年金は非課税の収入なので、この合計所得に入りません。A型の全国平均の給料は月91,451円で、年間110万円ほど。給与所得控除を引くと所得は45万円ほどにしかならず、135万円の線までかなり余裕があります。

前提が1つあります。この135万円の線が使われるのは、年末調整・確定申告・市区町村への住民税の申告のどれかで障害者控除を申告した人です。A型なら、事業所の年末調整の申告書に手帳の種類と等級を書く欄があるので、そこに書きます。書き忘れると、手帳があっても一般の線で判定され、課税されることがあります。

手帳がない人:年収100万〜110万円くらいが線

手帳がなく、知的障害の判定なども受けていない人は、一般の非課税の線で判定されます。扶養する家族がいない人なら、前年の合計所得が38万〜45万円以下(線は市区町村で違います)で非課税です。給与だけなら年収103万〜110万円です(令和8年度分)。扶養する家族がいれば線は上がります。A型で月9万円台の給料をもらうと年収108万円を超えるので、この線を超えて課税世帯になることがあります。来年7月からの判定(令和8年の給与)では給与所得控除が74万円に上がるので、線は9万円ほど上に動く見込みです。

配偶者がいる人:配偶者の住民税も見る

本人が非課税でも、同じ世帯の配偶者に市町村民税がかかっていれば課税世帯です。本人と配偶者の所得割の合計が16万円未満なら上限9,300円、16万円以上なら37,200円になります。所得割の額は、6月ごろに届く住民税の決定通知書か、市区町村の課税証明書で確認できます。

課税世帯になったら、1日いくら?

非課税の人は、この節は飛ばして「利用料のほかにかかるお金」へ進んでください。利用料はサービス費の1割で、通った日の分だけかかり、月の上限で止まります。B型なら多くは1日500〜800円ほどで、平均工賃が全国平均(月24,141円)くらい、定員20人以下・職員配置7.5:1の事業所なら640〜700円です(国が決めた単価の1割。計算の内訳は参考欄に。職員が手厚く工賃の高い事業所や都市部では900円を超えることもあります)。送迎や食事が付く日は、その分が少し乗ります。行かなかった日の分はほぼかかりません。

月14〜15日通えば上限の9,300円に届きます。週1回、月4日なら3,000円弱です。A型も就労移行支援も同じ1割で、月の上限で止まるのも同じです。A型の1日の額は事業所ごとに違います(事業所の評価点と定員・職員配置で単価が決まるため)。

A型では、給料を払う事業所と利用料を受け取る事業所が同じです。給料から利用料を天引きするには労使協定が必要です。天引きなのか別に払うのかは、見学で聞いておくと後で困りません。同じ月にB型とグループホームなど複数のサービスを使っても、上限は合計で1つです。

手帳を取ると、利用料が0円になる人がいる

手帳を持たずにA型に通っている人の話です。扶養する家族がいなくて給料が月10万円を超える人(年120万円以上)は、一般の非課税の線(令和8年度分で103万〜110万円。来年7月からの判定では112万〜119万円)を超えて課税世帯になり、月20日通う人の多くは上限の9,300円まで毎月かかります。年にすると最大111,600円です。

精神障害者保健福祉手帳は、3級でも税法上の障害者です。手帳を取って障害者控除を申告すると、非課税の線が合計所得135万円(年収204万円ほど)まで上がり、同じ給料で利用料が0円になります。効くのは早くて翌年7月からです。手帳を取った年の年末調整(か確定申告・住民税の申告)で障害者控除を申告する → 翌年6月ごろに住民税が非課税になる → 7月から区分が0円、という順番です。市区町村によっては、受給者証の更新月まで待つこともあります。手帳の申請は市区町村の窓口で、精神の手帳は初診から6か月たってから申請できます。

手帳を取るかどうかは、利用料だけで決めることではありません。受給者証は手帳がなくても取れます(受給者証の取り方)。この記事では、利用料の線が手帳で動くという事実だけを書いています。

利用料のほかにかかるお金

利用料が0円でも、昼食代と交通費は自分持ちです。昼食を出す事業所の食事代は事業所ごとに違い、事前に額を説明して同意を取る決まりなので、見学で「1食いくらか」を聞けます。非課税の人と上限9,300円の人(グループホームで暮らす人は、所得割16万円未満なら)は、昼食を出す事業所の多くで材料費の分だけ払えば済みます(食事提供体制加算という国の仕組みを取っている事業所の場合。令和9年3月までは続き、その先は未定です)。

交通費は自分持ちが基本で(助成する市区町村もあります)、片道200円の電車で月12日通うと4,800円。利用料より、こちらのほうが大きいことがあります。送迎がある事業所では、送迎の分はサービス費に含まれ、利用料の1割の中に入ります。

ほかに細かい実費を頼む事業所もあるので、見学で「利用料と昼食代のほかにかかるものはありますか」と一言聞いておくと安心です。

B型の工賃は全国平均で月24,141円です。非課税世帯なら利用料は0円なので、工賃がそのまま手元に残ります。課税世帯で上限まで払うと、手元に残るのは工賃から9,300円を引いた額です。B型を初めて使う人は、原則としてその前に就労選択支援(短い作業体験と面談)を受けます(受けなくてよい人は就労選択支援の記事に)。こちらの利用料も同じ区分で、非課税なら0円です。

収入や家族が変わったとき

去年まるごと休職していて、収入が傷病手当金だけだった人は、今年7月からの区分が0円です(配偶者がいなければ)。辞めたのが今年で、去年は給料が出ていた人は、区分が下がるのは早くて翌年7月からです(今年の給料が非課税の線を超えていれば、その翌年)。住民税が前年の所得で決まるためで、それまでは去年の給料で判定されます。ただし、失業などで収入が大きく減ったときは、市区町村の判断で利用料を減らす仕組み(総合支援法第31条の減免)があるので、7月を待たずに窓口で相談してください。見直しの時期は市区町村で違うので、下がるはずなのに変わらなければ、窓口に変更を申請してください。家族が変わったときも、市区町村に届け出て受給者証を書き換えてもらいます。

  • 失業などで、市区町村の条例により住民税を免除された人は、非課税の人と同じ扱いです
  • 結婚すると配偶者の住民税が判定に入り、離婚や死別で外れます。届け出た新しい区分は、原則として申請した月の翌月から(月の初めに申請すればその月から)です
  • 利用料を払うと生活保護が必要になる、という人には区分を下げる仕組み(境界層措置)があります。窓口で相談してください

よくある質問

親と同居していて、親は働いている。利用料はかかる?

18歳以上なら、親の収入は関係ありません。本人と配偶者の住民税だけで決まるので、本人が非課税で配偶者がいなければ0円です。

障害年金だけで暮らしている。課税される?

障害基礎年金・障害厚生年金には税金がかかりません。年金だけなら住民税は非課税で、利用料は0円です(配偶者がいれば、配偶者の住民税も見ます)。

受給者証の上限額が違う気がする

市区町村の窓口で、課税証明書をもとに確認してもらえます。所得割の判定は住宅ローン控除などを引く前の額で行うので、通知書の税額と違って見えることがあります。年末調整で障害者控除の申告を忘れていた場合は、住民税の申告を出し直せることがあるので、あわせて聞いてください。

利用料は誰に払う?

通っている事業所に払います。事業所は領収証を出す決まりです。複数のサービスを使っているときは、上限を管理する事業所が決まり、合計が上限を超えないように調整します。

あわせて読みたい

まとめ

  • 上限は生活保護0円・非課税世帯0円・課税世帯9,300円・所得割16万円以上(またはグループホーム・入所施設)37,200円
  • 世帯は本人と配偶者だけ。親の収入は数えない。判定に使う住民税は毎年7月に切り替わる
  • 手帳があれば前年の合計所得135万円以下(給与なら年収およそ204万円)まで非課税。手帳がなければ年収100万〜110万円くらいが線(いずれも令和8年度分)
  • 課税世帯は通った日ごとにサービス費の1割(B型で1日500〜800円ほど、900円を超える事業所も)。平均的な事業所(1日640〜700円)なら月14〜15日で上限に届く。行かなかった日はほぼかからない
  • 手帳を取って障害者控除を申告すると、0円になる人がいる。効くのは早くて翌年7月
  • 昼食代と交通費は利用料とは別

ここまでは、払うお金の話です

利用料が0円かどうかは、この記事の条件でほぼ決まります。手元に残るお金のほうは、事業所で決まります。B型の工賃は全国平均が月24,141円でも、事業所によって倍以上の差があり、A型の給料も、都道府県の平均で月73,802円(秋田県)から111,818円(東京都)まで開きがあり、同じ県の中でも事業所で違います。利用料の心配が消えたら、次に見るのはそこです。

就労継続支援の事業所を、工賃と時給で見比べる

ジョブリウムでは、市区町村や最寄り駅で絞り込んで、事業所ごとの月額工賃や時間あたりの工賃(A型は賃金と時給)を見比べられます。工賃が載っていない事業所もあります。昼食代や送迎の有無は、見学で聞けます。見学に受給者証は要りません。

B型事業所を探す(18,706件)

A型事業所を探す(4,501件)

就労移行支援事業所を探す(1,825件)

参考

本記事は2026年9月時点の制度と公表資料にもとづいています。利用料の区分は市区町村が判定します。ご自身の区分は受給者証と、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。ジョブリウムの掲載件数は2026年9月15日時点です。

お住まいの地域の就労支援事業所を探せます

時給や仕事の内容を見て、気になった事業所に見学を申し込めます。見学に受給者証は要りません。

事業所を探す
就労支援の事業所を探す