障害者向けコラム

就労継続支援とは?A型・B型・就労移行支援の違いを1つの表で|給料・年齢・期間と、最初に見学する順番

就労継続支援とは、一般の会社で働くことが難しい障害のある人が、支援を受けながら働く障害福祉サービスです。雇用契約を結んで給料をもらうA型(全国平均 月91,451円)と、雇用契約を結ばずに工賃をもらうB型(同 月24,141円)の2つがあります。24,141円は全国平均で、事業所によって倍以上違います。名前が似ている就労移行支援は、原則2年以内に一般の会社への就職を目指す訓練のサービスで、就労継続支援とは別のものです。

調べると制度の説明ばかりで、「自分はどれに行けばいいのか」「いくらもらえるのか」「通えない日が続いたらどうなるのか」が分からないまま閉じてしまう。この記事は、その3つに答える順に書きます。先に2つだけ。通えない日が続いても、B型なら解雇にはなりません(休んだ日の分、工賃が減ることはあります)。利用料は、親と同居していても親の収入は関係なく、本人(と配偶者)が市町村民税非課税なら0円です。

見学に受給者証は要りません。A型・B型・就労移行支援のどれも、今日そのまま見学を申し込めます。B型だけ、使い始める前に「就労選択支援」という短い作業体験と面談が1つ入ります(令和7年10月から)。見学はその前でかまいません。受けなくてよい人が誰かは、B型の章で書きます。

3つのサービスを1つの表で

項目就労継続支援A型就労継続支援B型就労移行支援
雇用契約ありなしなし
もらえるお金(全国平均)給料 月91,451円工賃 月24,141円原則なし(工賃が出る事業所も)
時給の下限最低賃金(原則)なしなし
対象雇用契約で働けるが、一般の会社は難しい人雇用契約での就労が難しい人一般の会社に就職できる見込みのある人
年齢原則65歳未満上限なし原則65歳未満
利用期間期限なし期限なし標準2年(最大1年延長)
一般就労への移行率(令和6年)29.2%11.8%60.2%
利用者数(令和8年5月)87,651人436,198人38,868人

利用者数で見ると、B型がA型の約5倍です。「就労継続支援」と聞いて多くの人が思い浮かべるのはB型で、A型は雇用契約を結ぶ分、対象が絞られます。表の「対象」は、いまの自分で判定しなくて大丈夫です。A型と就労移行支援には最長2か月のお試し期間があり、B型は通う日数を体調に合わせて決められます。どちらに当たるかは、見学で事業所に聞けば見当がつきます。最終的に決めるのは市区町村の支給決定です(65歳の扱いは下の「よくある質問」に)。

就労継続支援A型・B型・就労移行支援の違い。雇用契約の有無、給料と工賃の平均、利用期間、一般就労への移行率

自分に合うのはどれか

決め方は、体調と目的の2つで足ります。

  • 雇用契約で決まった時間に通えそうで、給料が必要 → A型
  • 体調の波が大きく、まず通い続けることから始めたい → B型
  • 1〜2年のうちに一般の会社に就職したい → 就労移行支援

途中で変えられます。B型からA型へ、A型から就労移行支援へ、というように、市区町村に申請して、新しいサービスの支給決定を受ければ移れます。最初の選択で一生が決まるものではありません(A型に移るときは、A型の要件と最長2か月のお試し期間があります。お試し期間は省略されることもあります)。辞め方と移り方の手順は辞め方・移り方の記事に書きました。

迷う人がいちばん多いのはA型とB型の間です。給料は3倍以上違いますが、A型は雇用契約なので、決まった日に決まった時間働くことが前提になります。違いはA型とB型の違いの記事で、給料・時間・年齢の条件ごとに比べています。

A型:雇用契約を結んで、給料をもらう

A型は、事業所と利用者が雇用契約を結びます。労働者なので最低賃金法が適用され、時給は原則として最低賃金が下限です(47都道府県の新しい最低賃金)。令和6年度の平均給料は月91,451円で、平均をどう読むかはA型の給料の記事に書いてあります。仕事の中身は軽作業・清掃・食品製造が多く、3,668事業所を数えた結果があります。

対象は「一般の会社に雇われることは難しいが、支援があれば雇用契約で働ける人」です。週20時間以上で31日以上の雇用見込みがある契約なら雇用保険にも入ります。1日の時間や週の日数は事業所ごと・人ごとに違うので、見学で確認します。

気をつける点は、事業所の経営です。令和6年度に国の給付のルールが変わり、その年、A型事業所で働いていた少なくとも7,292人が解雇されました(1か月に10人以上の解雇があった事業所の分だけを数えた数字です)。見学で聞くことは1つ、「前年度の収支は黒字でしたか」。A型事業所は「スコア表」という書類で毎年公表する決まりなので、見せてもらえなければ、それ自体が判断材料です(開設した年度と翌年度の事業所にはまだ無いことがあります。A型閉鎖の記事)。

B型:雇用契約を結ばずに、自分のペースで働く

B型は雇用契約を結びません。時間や日数を体調に合わせて決めやすく、年齢の上限もありません。もらえるのは給料ではなく「工賃」で、令和6年度の全国平均は月24,141円。事業所によって倍以上の差があります(B型の工賃の記事)。

令和7年10月から、新しくB型を使う人は、先に「就労選択支援」という短い作業体験と面談で、希望と向き不向きを整理する決まりになりました。受けなくてよいのは次の人です。

  • 50歳以上の人
  • 障害基礎年金1級の人
  • 以前に働いていて、年齢や体力の面で一般の会社が難しくなった人

体調の波で会社を辞めた人が3つ目に当たるかは、市区町村の窓口の判断です。当たっても当たらなくても、先にやることは同じで、事業所の見学です(近くに就労選択支援の事業所がない、または順番待ちになるときは、これまでどおり就労移行支援事業所などの見立てでB型を始められます)。増えた手順の中身は就労選択支援の記事に書いてあります。

B型を選ぶときに見学で聞くことは、B型事業所の選び方に10個にまとめました。A型の見学でもそのまま使えます。

就労移行支援:2年で一般の会社への就職を目指す

就労移行支援は「働く場所」ではなく「訓練と就職活動の場所」です。標準の利用期間は2年で、必要と認められた場合に最大1年延長できます。原則として給料は出ませんが、生産活動があれば工賃が出る事業所もあります(就労移行支援でお金はもらえる?)。

利用を終えた人のうち一般の会社に就職した割合は、令和6年で60.2%。A型の29.2%、B型の11.8%より高いのは、はじめから就職を目的にしたサービスなので、数字の性格が違うためです。利用の流れと費用は就労移行支援とはに書いてあります。

3つに共通する手続きと、利用料

どれを使うにも、市区町村が出す「障害福祉サービス受給者証」が要ります。精神障害・知的障害・難病の人は障害者手帳がなくても申請できます(何で確認されるかは下の「よくある質問」に)。介護のような「区分」の認定は通常要りません。手順は受給者証の取り方に書きました。A型と就労移行支援には、本利用の前に最長2か月のお試し期間(暫定支給決定)があり、合わなければそこでやめて別のサービスに変えられます(就労選択支援を受けていれば、お試し期間が省略されることもあります)。B型にお試し期間はありませんが、雇用契約がないので、休みが続いても「解雇」にはなりません。工賃の計算方法は事業所ごとの工賃規程で決まり、通った日数や時間で計算する事業所では休んだ分だけ減ります。

利用料は所得で決まる上限があり、18歳以上は本人と配偶者の所得だけで判定します。親と同居していても、親の収入は関係ありません。生活保護世帯と市町村民税が非課税の世帯は0円、課税世帯は所得割16万円未満なら月9,300円、それ以上なら月37,200円が上限です(グループホームで暮らす人は、課税世帯なら37,200円)。障害者手帳(療育手帳を含む)を持っていて、配偶者も非課税なら、A型で月9万円台の給料をもらっても利用料は0円のままです。手帳のある人は、前年の合計所得135万円以下なら市町村民税が非課税だからです(年末調整や申告で障害者控除を申告していることが前提。A型なら事業所の年末調整で申告できます)。手帳がない人(知的障害の判定も受けていない人)は一般の非課税の線で判定されます。令和8年度は、扶養する家族がいない人でおよそ年収100万〜110万円なので、月9万円台の給料だと課税世帯になり、月9,300円が上限になることがあります。0円になる条件と1日の額は利用料の記事に書きました。

最初に見学する順番

見学に受給者証は要りません。申請の前に見に行けます。

  • 全員:事業所を2〜3か所見学する → 通いたい事業所が決まったら、市区町村に受給者証を申請する
  • B型で就労選択支援の対象になる人:受給者証の申請と一緒に就労選択支援を申し込む → 短い作業体験と面談を受ける → B型の支給決定が出たら通い始める

見学で聞くことは3つで足ります。1日の流れ、体調が悪い日の扱い、いまの利用者が何をしているか。A型なら、スコア表の前年度の収支も聞いてください。聞き方はA型の章のとおりです。

よくある質問

障害者手帳がなくても使える?

精神障害・知的障害・難病の人は使えます。受給者証の申請に手帳は必須ではなく、精神障害なら医師の診断書や年金証書など、知的障害なら療育手帳か更生相談所の判定、難病なら診断書や指定難病の受給者証などで確認されます。身体障害の人は身体障害者手帳が要ります。市区町村によって求める書類が違うので、窓口で確認してください。

65歳を過ぎていても使える?

B型は年齢の上限がないので使えます。A型と就労移行支援は原則65歳未満ですが、65歳になる前の5年間サービスを使っていて、その前日まで同じサービスを使っていた人は続けられます(ほかにも例外があります)。介護保険の対象年齢になったことを理由に外されることはありません。就労系のサービスには、介護保険に相当するサービスがないからです。

障害年金をもらいながら使える?

使えます。障害年金は障害の状態で決まるもので、働いているだけで止まる仕組みではなく、収入で減る仕組みも原則ありません(例外は20歳前傷病の障害基礎年金の所得制限で、A型の給料だけでは届かない水準です)。「働いていると年金が下りない」と聞いたことがあるかもしれません。精神障害の等級判定ガイドラインでは、働いているからといってすぐに軽いとは判断せず、仕事の内容や職場での援助も見たうえで、A型・B型で働いている人は「1級または2級の可能性を検討する」とされています。まだ申請していない人の手順も含めて、詳しくは障害年金とA型の記事に書いてあります。

A型もいずれ就労選択支援が先になる?

令和9年4月から、新しくA型を使う人と、2年を超えて就労移行支援を使う人も就労選択支援を受ける予定です(詳しい取り扱いは国が改めて示すとしています)。予定どおりなら、令和8年度中にA型を始める人はいまの手順のままです。いまでも、希望すれば自分から就労選択支援を使えます。

通えない日が続いたら、どうなる?

週に何日から通えるか、実際に何日通っている人が多いかは週何日から通える?の記事にまとめました。

B型は雇用契約がないので、休みが続いても解雇にはなりません。休んだ日の分、工賃が減ることはあります。A型は雇用契約なので欠勤の扱いは一般の会社に近いですが、体調の波がある人を雇う前提の職場です。上で書いた7,292人の解雇は、1か月に10人以上の解雇があった事業所で起きた数で、本人の欠勤を理由に1人ずつ切られた数ではありません。見学で「体調が悪い日はどうなりますか」と聞いてください。辞めても受給者証は残り、同じ種類の別の事業所にそのまま移れます。別の種類に移るときは、市区町村に新しいサービスの支給決定を申請します。

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まとめ

  • 就労継続支援はA型(雇用契約あり・給料)とB型(雇用契約なし・工賃)。就労移行支援は2年で一般就労を目指す訓練で、別のサービス
  • お金の全国平均は、A型 月91,451円、B型 月24,141円。就労移行支援は原則なし
  • 一般就労への移行率(令和6年)は就労移行支援60.2%、A型29.2%、B型11.8%
  • どれも受給者証が要る。利用料は18歳以上なら本人と配偶者の所得で決まり、非課税なら0円
  • 見学に受給者証は要らない。B型だけ、使い始める前に就労選択支援(短い作業体験と面談)が入る。受けなくてよい人はB型の章。見学はその前でよい

ここまでは、制度の話です

制度の違いは表のとおりですが、同じA型でも、同じB型でも、事業所によって仕事の中身も支援の仕方も違います。平均の給料や工賃は、その事業所の額ではありません。自分に合うかどうかは、制度を選んだあとに、事業所を見て決まります。

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全国平均のB型24,141円は、あなたの近所の事業所の額ではありません。事業所によって倍以上違います。ジョブリウムでは市区町村や最寄り駅で絞り込んで、事業所ごとの時給と月額(B型は工賃)を見比べられます。事業所ページの「工賃」(A型は「賃金・給与」)の欄に月額と時間あたりの額が載っています(片方だけの事業所もあります)。欄がない事業所は、情報公表に額の記載がなかったところです。見学に受給者証は要りません。B型の人も、就労選択支援(作業体験と面談)の前に2〜3か所見ておくと、意向を聞かれるときに「こういう仕事がしたい」と言えます。まず、家から通える範囲に何件あるかだけ見てください。

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参考

本記事は2026年9月時点の制度と公表資料にもとづいています。ジョブリウムの掲載件数は2026年9月15日時点です。

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